第3回目のインタビューを受けてくださったナツさんの「コロナ禍と小1の壁【インタビュー連載】家族とキャリアと私(5)」後編。
メーカーの事務職として正社員で働く6歳と2歳のワーキングマザーのナツさん。前半は小1の壁への心構えや保活ならぬ学童活動の現状などについてお話を伺いました。後半の今回は、在宅勤務と子供の放課後の過ごし方や、ご自身に訪れた変化についてお話を伺いました。
<前編>はこちら
予想外のコロナ禍入学と在宅勤務への変更
―地域の先輩ママの話を参考にした方はとても多いようですね。でも、去年と今年の入学生はコロナ禍によってそもそもの予定がだいぶ変わりましたよね?
はい。我が家は夫婦で影響大でした。まず夫が基本完全在宅になりました。必要があれば月1~2回程度の出社はありますがほぼ在宅。私は平日週2~3日出社です。
夫婦ともに在宅が多い今ですが、民間学童を利用しています。長男の学校が終わった後すぐ帰宅してもいいのですが、民間学童が宿題も見てくれて、色んな講座やレッスンを受けて過ごせるので、習い事代わりに使っています。
1年生は終業が早く、帰宅しても親の就業中は相手が出来ません。結局テレビや動画三昧になるので、そういうところで色んな経験をさせるほうがいいと思って通わせています。
息子が帰ってきて私が手伝うことは、明日の準備くらいです。宿題は済ませてきてくれるので、一応チェックはしますが、わからないところを親が教える必要がないので、負担を感じたことはありません。
―習い事ができるのは有意義ですね!緊急事態宣言下では放課後お友達と遊ぶのを控えたりすることも出てくるでしょうし、コロナ禍の子供の居場所は課題のひとつかもしれませんね。
コロナの自粛とは関係なく、小学校一年生の子だと子供同士で放課後の居場所を確保するのはまだ心配なところもあります。
小学生になってからは親の知らないお友達もどんどん増えていきますし、私の知らないところに一人で遊びに行かせるのも心配なので、地域性もあると思いますが、学童=保育園代わり以外の価値もあると感じています。
今後お友達同士で遊びに行くのも活発化するでしょうし、もう少し大きくなれば安心でしょうから、今はお友達と約束をして遊びに行くというのをゆっくりと慣らしているところです。
在宅勤務で子供の居場所は確保できるものの、小学校1年生の放課後の過ごし方にはまだまだハードルが高いことも。コロナ禍の状況下もあり、学童が子供にとって有意義な時間の使い方になるというのは新しい視点です。
コロナ禍で思いがけず動き出したキャリアアップの道
―今年の8月には、下のお子さんの時短勤務が切れると伺いました。さらに生活スタイルに変化が出ると思いますが、8月からの生活についてはどう考えていますか?
私の勤務時間が16:30終業から17:30終業に変わります。夫は17:15までですが、基本残業をしています。夕方以降の1時間は大きいですが、在宅の日はなんとかなるかな…。
実は時短勤務に関係なく、私のほうは在宅を取り入れた分、出社時の残業が増えました。どうしても出社時にしかできない仕事もあるので…。出社日は私の帰宅が19時を過ぎたり、21時近くになることもあります。
その場合は夫が定時で一旦子供2人を迎えに行き、そのあと仕事を再開する感じになっています。
もし夫が対応できない時は、私が何が何でも定時であがるしかないですが、その場合の業務対応は社内でどうにか調整するので大問題ではありません。
日々のスケジュール管理と動線確認は大変そうですが、2人とも在宅を取り入れた働き方でやりくりできると考えています。
―その都度変化に対応していくということですね。それではキャリアのお話も含めて、ナツさんご自身の今後の働き方について展望はありますか?
今の会社は、女性はバリバリ働くというより、正社員だけど事務の仕事を長く安定して働くという雰囲気で、自分もそのつもりで入社しました。転職活動時にハローワークで紹介してもらった求人で、いわゆる9時5時の事務ってすごく人気がありましたよ(笑)
それでも、毎日出社だったら通勤時間がかかって子供たちのお迎えは18時半過ぎ。やっていけるかの心配が大きかったです。でも、こうして在宅勤務を取り入れた働き方が始まり、小学校入学後も家庭と仕事の両立が叶うと感じたので、今は逆にキャリアアップもしてみようかと思っているんです。
―それは意外!逆転の発想ですね!
これは別に私の意思ではないんですけど、一般事務からいやおうなしに営業サポート的な仕事も増えたんです。やることも責任も増えて、でも今ならできるなって思った時に、会社に昇級の申し出をしたら快諾してもらいました。
思わぬところでキャリアについても考えるきっかけになりましたが、しばらくはこのスタイルで仕事と家事育児を続けてみる予定です。
―もしコロナ禍かつ在宅勤務でなかったらなあさん達家族にとって「小1の壁」はどうなっていたと思いますか?
19時か20時まで民間学童フルで使うしかないと夫と話していました。
極力、過ごす環境だけは最善のものを用意してあげたいと思っていましたけど、その時間まで預けて働く事の罪悪感に耐えられたか分かりません。
ワーキングマザーにとって昔から通勤時間は悩みの種ですが、新しい働き方がママ自身のキャリアアップにも広がっていくというナツさんの好例。子供の負担も軽くなる一方で、うまく在宅勤務を導入すれば時間的、体力的、精神的にも安心・安定した働き方が叶うようです。
<編集後記>
小学校入学前から「小1の壁」を意識し、実際動いて色々と準備してきたナツさんご一家が、コロナ禍で働き方に変化が訪れ、その結果ママのキャリアアップにつながったお話を聞かせてくださいました。
厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成30年版)」 によると、母親の就労状況について、末子の年齢階級別に年次推移をみると「正規の職員・従業員」「非正規の職員・従業員」ともに上昇傾向となっています。
また、男性の育児休暇取得、時短勤務、新しい働き方や、「自分らしい働き方」を模索する方も増え、さらに働き方の選択肢が増えていくのを感じます。
「小1の壁」は検索エンジンで2008年ころから出現し、すでに10年以上課題として扱われてきた言葉ですが、現在進む働き方の変化の中にその壁をクリアにするヒントがあるのは間違いありません。
取材・文:A.O
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