愛する人と結婚し、子どもを産み育てる。そんな人間としての営みに「辛さ」や「しんどさ」を感じることはありませんか?
・職場やママ友付き合いで、必要以上に周囲の目を気にしてしまう
・常に自信がなく、それが子育てや仕事にも影響を及ぼしている気がする
このような悩みがある人は、もしかすると傷ついたインナーチャイルドを抱えているのかもしれません。
ここでは、「インナーチャイルドとは何なのか?」、「インナーチャイルドを癒すにはどうすればいいのか?」を、かつてインナーチャイルドを抱えていたAさんの実話をもとにお伝えしていきます。
幼少期の記憶を辿り、そして癒すことで、あなたの人生はずっと生きやすくなるはずです。「インナーチャイルドって何?」、「自分も当てはまるかも?」ちょっと興味がある方にも読みやすい内容になっていますので、是非続きをお読み下さい。
目次
1.インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドとは、直訳すると「内なる子ども」という意味です。
主に、幼少期の家庭環境や辛い経験がトラウマとなり、ネガティブな感情を指します。
私達大人は、常識やTPOに合わせて「自分を取り繕って」生きています。しかし、インナーチャイルドを引き起こすと大人らしい考え方が出来なくなったり、人間関係の構築が難しくなったりします。
その結果、生きづらさを感じてしまうのです。
人の性格は、幼少期(3歳~10歳頃)までの体験によって作られると言われています。「幼少期の性質は一生変わらない=三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、子どもの頃の家庭環境や教育環境は人に大きな影響を及ぼすのです。
インナーチャイルドを引き起こす原因は、「0~10歳までの精神的、身体的苦痛や、家族関係の問題」です。
その他にも
- きょうだいの中で自分だけいつも叱られていた
- 成績が良くなければ愛されないと感じることがあった
- いつも親の顔色をうかがって生きていた
- 親が不仲でそれを間近で見ていた
- 親が共働きで忙しく迷惑をかけないようにいつも我慢していた
上記のように、誰にでも起こり得るような出来事でも、インナーチャイルドが傷つく可能性は十分にあります。
では、インナーチャイルドが傷ついている人には、どのような特徴があるのでしょうか?「自分にも、少し当てはまる部分があるかもしれない・・・。」と思った方は、是非次をチェックしてみましょう。
(1)インナーチャイルドの症状9つ
インナーチャイルドには、代表的な症状が9つあります。
- 自己肯定感がない
- 人間関係が苦手
- つい良い人を演じてしまう
- 自分の感情を表出できない
- 常に孤独を感じてしまう
- コンプレックスが強い
- 他人に対してお節介をするのが好き
- 自分の問題と向き合えない
- 心の中では自己中心的な考えを持っている
上記のようにインナーチャイルドの症状は様々ですが、人によっては症状が1~2個該当するという人もいれば、複合的に症状が出ている人もいます。その理由は、育った家庭環境が一人ひとり異なるからです。
2.傷ついたインナーチャイルドを持つ人の特徴
傷ついたインナーチャイルドを持つ人の特徴を、「子育て編」と「仕事編」に分けてご紹介していきます。
(1)傷ついたインナーチャイルドを持つ人の特徴:子育て編
子どもと関わる時間が多い母親は、傷ついたインナーチャイルドが「子育て」に影響を及ぼすことがよくあります。
子育てをしている中で、
・子どもに対し支配的な行動や言動をとってしまう
・自分の感情をコントロールできず怒りのままに子どもを叱る
・子どもは仲良くするものではなくイライラの対象
・子どもを抱きしめようとすると虫唾が走る
・子どもに触れられるのが苦手
このような経験がある人は、インナーチャイルドが傷ついている可能性があります。
「〇〇しないのは悪い子!」、「△△しないと許さない!」など、子どもの頃に決められた「ルール」や「型」が無意識のうちにあなたの中に浸み込み、同じことを子どもにしてしまっているのです。
例えば、あなたが子どもの頃に、次のような対応を親にされたことはありませんか?
・同じイタズラをしたのに、きょうだいの中で自分だけが叱られていた
・上手にピアノが弾けるようになるまで激しく罵倒されながら練習させられた
・人と比較されて「あなたはダメだね。」など否定されていた
・親に話しかけても相手にされないことが多かった
・しつけで叩かれることがよくあった
幼少期にこのような体験がある人は、傷ついたインナーチャイルドが子育てに影響している可能性が高いです。
(2)傷ついたインナーチャイルドを持つ人の特徴:仕事編
傷ついたインナーチャイルドは、子育てだけでなく仕事にも影響を及ぼします。
仕事をしていく中で、
・自分のミスではないのに自分が悪いような気がして「すみません」を連発してしまう
・自分が我慢すれば済むことなら辛くても我慢する
・仕事で認められるために常に無理をしている
・能動的に動けない
・何かを指摘されると逃げようとしてしまう
このような経験がある人も、インナーチャイルドが傷ついている可能性が高いです。幼少期の不安・恐怖・怯えなどの体験が、職場での生き辛さに繋がっていないか振り返ってみましょう。
あなたが子どもの頃のことを、思い出してみて下さい。
・親が高圧的でいつも親の顔色をみて生活していた
・親の指示が絶対で逆らうことができなかった
・叱られることを避けるためにいつも我慢していた
・理不尽に叱られることが多々あった
・頑張らなければ愛されないという雰囲気の家庭で育った
幼少期にこのような体験がある人は、傷ついたインナーチャイルドが仕事や職場での人間関係に影響を及ぼしていることが考えられるのです。
さて、ここまでお読み頂き、「もしかしたら自分も傷ついたインナーチャイルドを抱えているのかもしればないけど、よく分らないなぁ・・・。」と、確証を持てずにいる人はいませんか?
そこで次では、かつて傷ついたインナーチャイルドを抱えていた、A さんの実話をうかがっていきましょう。
Aさんの人生物語から、あなたは何を感じ取るのでしょうか?もしかすると、幼少期の辛い記憶を思い出し涙なしには読めないかもしれません。その覚悟がある方は、是非続きをお読み下さい。
3.傷ついたインナーチャイルドを抱えていたAさんの話
・年齢:35歳
・職業:フリーイラストレーター
・家族構成:夫・娘(小4)・息子(小1)
フリーイラストレーターのAさんは、2児の子を持つワーママ。絵に描いたように幸せそうな4人家族ですが、かつてのAさんは、傷ついたインナーチャイルドを抱え暗いトンネルの中をさまよっていました。
Aさんに一体何が起こっていたのか?Aさんの話をうかがっていきましょう。
(1)「男じゃないとダメなんだ・・・。」そう感じた幼少期
私は、経営者家庭の長女として生まれました。
周囲は跡取り息子の男児を切望していましたが、生まれてきた子は3人とも女の子・・・。それに対し両親が色々言う場面は見たことがありませんが、周囲の声(祖父母や親戚)は私達3姉妹にもハッキリと届いていました。
例えば、お正月などの集まりで「次は男の子を産まないと。」と言う祖母。フォローのつもりなのか?親戚のおじさんやおばさんは、「大丈夫よ!〇〇ちゃん(私)が、立派なお婿さん連れてくるから!」など、「男の子が必要なんだ。」という意識は、当時年長くらいの私にどんどん刷り込まれていきました。
このような状態に加え、家のすぐ隣には祖父母の家がありました。母親は毎日干渉され、かなり抑圧されていたと思います。
そのせいか?私の母はいつもイライラしていました。特に長女の私には厳しく、妹達が許されることでも私は許されないのが当たり前。怒られた経験が色濃く残る幼少期で、
・汚れた雑巾で顔を拭かれる
・お風呂に顔を沈められる
・掃除機の柄で叩かれる
など、暴力を受けた記憶が鮮明な映像として脳裏に焼き付いています。今思えば、完全に虐待ですよね・・・。
(2)「跡継ぎになる。」ピエロになった小学生~大学生時代
こんな幼少期を過ごしていたので、私は無意識に「親を喜ばせること」を覚えました。跡継ぎになると言えば親が喜ぶと思い、聞かれてないのに「私が会社を継ぐ!」と小学生の頃から宣言。両親が「それは頼もしいなぁ!」と機嫌が良くなるので、私も嬉しかった記憶があります。
そして時は経ち、自分の進路を考える時期になりました。私は絵を描くことが大好きだったので、本当は美術関係の進路に進みたいと考えていたんです。でも、それを言う度に母親の猛攻撃に合いました。
・「あんたの絵なんか大したことない。」
・「もっとすごい人が数えきれないほどいる!」
・「絵で生計を立てるなんか無理に決まってる。」
・「あんたにできっこない。」
そんな言葉の嵐だったので、私は考える余地もなく家業に関係のある学部に進学しました。
ちなみに、私達3姉妹は全員家業と同じ学部に進んでます。いや進まされているんです・・・。きっと、誰か1人でもその学部で恋愛をして、婿養子を連れて帰ってくることを期待していたのでしょう。
(3)逃げるように結婚。しかし、子育てで行き詰る日々
大学生活を経て就職した会社は、家業にも関係がある安定企業。私がそこで修行して帰って来ることを両親は望んでいたと思います。
でも、興味も適正もない仕事をこなす日々に苦しめられました。鬱のような状態になり、半ば逃げるように結婚、出産をしたんです。
でも、母になってからも私は苦しむことになりました。
自分が幼少期に両親にされた言動を、子ども、特に長女にしてしまっていたんです。
暴力こそないものの、
・「〇〇ちゃんはできるのに、なんであなたはできないの!?」
・「△△できないなら、もうあなたのことは知らない、育てない!」
など、条件付きの愛になっている自覚もありました。
感情的に叱った後はいつも激しく後悔するのに、また同じことの繰り返し・・・。仕事もうまくいかない、子育てもうまくいかない、「私は人間として失格だ・・・。」幼少期のしがらみから未だに逃れられない自分を呪いました。
いかがでしょうか?幼少期の辛い体験が原因で、Aさんのインナーチャイルドが傷ついてしまったことは明白ですね。
でも、現在のAさんは違います!こうして自身の体験を堂々と話し、イラストレーターとして自分の「好き」を仕事にしています。一体Aさんはどのような方法でインナーチャイルドを癒し、イキイキとした新しい自分を手に入れたのでしょうか?次で詳しくみていきましょう。
4.インナーチャイルドを癒す方法
インナーチャイルドを癒すには、「子どもの頃を思い出して遊ぶ」または、「過去を振り返って感情を吐き出す」という作業がおすすめです。
インナーチャイルドを癒すと、自分の思いや行動を知らず知らずのうちに制御してしまっていた状況から解放され、活き活きとした気持ちが沸いてきます。
では、具体的にどのようにしてインナーチャイルドを癒していくべきか説明します。
まずは、子供の頃を思い出して遊ぶという方法。
子供のときに我慢したお菓子やおもちゃを大人買いしたり、気が済むまで好きなことで遊んでみたり。
この行動により、「できなかった/我慢していたことができるようになった」と気づけます。
・食べたかったお菓子をまとめ買いする
・気が済むまで遊んでみる
次に、感情を吐き出す方法についてですが、
- 書く
- 話す
上記の方法を行いましょう。
Aさんは自分のインナーチャイルドを癒すために、幼少期から現在の自分をノートに書きだして振り返ったそうです。その数、何と3冊分!
やり方は次の通り。とても簡単なので試してみましょう。
・きちんとした文章ではなく、殴り書きや断片的な気持ちだけを書いても良い
・怒り・悲しみ・つらさ・我慢していること・本当はこうしたい!など、徹底的に書ききる
最初のうちは手が追いつかないほどのスピードで書きなぐり、時には涙を流しながらノートに感情をぶつけること1年以上。Aさんはノートが3冊目に突入した時、「あれ、書く内容がない・・・。」という心境に至ったそうです。
この頃には、自分がこれからそんな生き方をしたいのか?そのためには、どのような行動をとればいいのか?霧が晴れたようにクリアになり、「好きだったイラストの仕事をしよう!」と一大決心。クラウドソーシングを利用して、イラストレーターとしての道を歩み始めています。
「封印していた自分の気持ちを解き放つ」これこそが、インナーチャイルドを癒すはじめの一歩なのです。
5.ポジウィルキャリアで「過去~未来」の自分と向き合おう
さて、ノートに自分の気持ちを書きだそうと思っても、なかなかペンが進まないという人もいるでしょう。そのような方におすすめなのが、2つ目の方法!「人に話す」ことです。
専門のカウンセラーに聞いてもらうのももちろん良いですが、もしあなたの傷ついたインナーチャイルドが「仕事」や「キャリア」に影響しているなら、「ポジウィルキャリア」のカウンセリングをおすすめします。
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6.生き辛さを感じたら「インナーチャイルド」を癒そう
仕事や育児に辛さを感じることはよくありますが、その原因が何なのかハッキリしない・・・。そんな時には少し立ち止まって幼少期を振り返り、インナーチャイルドと向き合ってみてはいかがでしょうか?
「インナーチャイルドを癒そうにも、インナーチャイルドの見つけ方が分からない・・・。」そんな人は、先にこちらの記事をお読み頂くことをおすすめします。