「中学受験にはお金が掛かる。」
高額な塾代はもちろん、オプション講座や長期休暇時の講習、個別指導や家庭教師など、お金を掛けようと思えば青天井なのが中学受験ですよね。
今回は【中学受験の奥深きお金事情】を徹底解剖。中学受験2025年組!只今絶賛塾通い中の子を持つワーママライターKが、塾の内情を踏まえながら詳しくお伝えしていきます。
注目:この記事は単に中学受験にかかる費用をまとめたものではありません。
・金銭面がギリギリの状態で中学受験に挑むとどうなる?
・お金がない!塾費用を捻出する方法
など、他にはないディープな情報にも触れています。
中学受験させたいけどお金がギリギリかも…。どうしよう。
このような悩みがある人は、是非最後までお読み下さい。【お金がギリギリ】だからといって中学受験を諦めるのは早すぎることが分かると思います。
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目次
1.中学受験に掛かるお金は学年が上がると共に吊り上がる
まずは、中学受験にかかる費用をみていきましょう。
(1)中学受験塾の学費
こちらが中学受験塾の学費のざっくりした目安です。※
学年 | 月額授業料 (テスト代等を含む) |
長期休暇時の講習 (夏期講習等) |
小学4年生 | 3~4万円/月 | 4~10万円 |
小学5年生 | 5~6万円/月 | 5~15万円 |
小学6年生 | 6~7万円/月 | 10~20万円 |
分かってはいますが、すこぶる高いです!
中学受験の塾費用は、学年が上がると共に吊り上がるの基本です。長期休暇時は【通常の月謝+講習代】が掛かるので、お金がどんどん飛んでいきます…。
試しに、某有名中学受験塾の6年生の【夏休み】にかかる学費をみてみましょう。
・夏期講習等の特別講習の費用:¥210,100(54コマ)
夏休み期間中だけで約27万円もの大金が必要です。小4・小5の時はここまで高額ではありませんが、夏休み中は10万円弱のお金が必要です。
※金額は目安です。住んでいる地域や塾によりバラつきがあります。
(2)中学受験塾以外に掛かる費用
中学受験は塾以外の出費もかさみます。
・ガソリン代(送迎する場合)
・電車やバス代
・弁当代
・文具代
など、地味な出費が積もり積もって結構な金額になります。
加えて、意外な盲点が【個別指導や家庭教師代】です。
えっ、塾に通いながら家庭教師や個別指導も受けるの?
不思議に思った人もいるかもしれませんが、中学受験業界では【塾+家庭教師or個別指導】は珍しいことではありません。特に、塾の最上位クラスではWスクールを実践している人が多いです。
最上位クラスの子達は”塾が復習”になっています。個別指導や家庭教師で塾より先を予習しているんです!
そうなると【塾代+家庭教師代・個別指導代】が掛かるので、益々多額のお金が必要になります。「こんなに”課金”されている子達に敵うわけないじゃん!」と、なんだか悲しくなってしまいますね…。
2.中学受験はお金持ちだけのもの?世帯年収1,000万円が目安は本当か
ここまで読んで頂き、あなたはどのような気持ちになりましたか?
「やっぱり中学受験は、お金持ちだけのものじゃん…。」と悲しくなった人もいるでしょう。しかし、実際はそうとも言い切れません。
(参考:文部科学省「子供の学習費調査」令和3年度を参考に独自作成)
こちらのグラフは、令和3年度の私立中学における世帯収入別の構成比を示したものです。世帯収入1,200万円以上の家庭が40.1%と高い割合を示していますが、世帯年収が999万円以下の家庭も42.2%を占めています。
つまり、世帯年収1,000万円以下の家庭でも、私立中学の受験&入学を叶えている人が約42%もいるというわけです。
このことから分かるのは、【金銭面で少々無理をしてでも私立中学に入れたい】と考える親が増えているということ。その背景には「公立中学に行かせたくない!」という強い気持ちが見え隠れしています。
地域にもよりますが、公立小学校の荒れ具合を体感して「中学では外にでなくては!」と考える親が少なくありません。偏差値や進学率はさて置き、”子どもにとってより良い環境”を求めて私立中学を受験する人が増えているのです。
公立中学進学に潜む3つのリスクはこちらで紹介しています。
3.【体験談】お金がカツカツの状態で中学受験をした人の声
では、お金がカツカツの状態で中学受験をするとどうなるのか?ライターKのママ友、Aさんが教えてくれた体験談を許可を得て掲載します。
・子ども2人:私立中1年&小学校5年生
(1)【お金+勉強の心配】のWパンチをくらう
娘が通っていた小学校は大荒れ状態で、男子による暴力沙汰も頻繁にありました。「うちの子大丈夫かな…。」と心配していた矢先、娘が帰り道に蹴られ泣きながら帰ってきたんです。
担任に相談したところ「警察に相談して下さい。」とまで言われてしまい、「もう地元の公立中学には進学させられない!」と決意を固めたのが小3の終わりです。
そこから慌てて情報収集をして、有名な中学受験塾に入塾。一番下のクラスからスタートしたのですが、1年たっても成績は低迷したまま…。宿題すら消化できない日々が続き、クラスアップなんて口にするのも恥ずかしいような成績でした。
そんな状態でも、毎月毎月月謝は引かれ続けます。
節約はもちろん、パートを増やしたり貯金を切り崩して娘の塾代に充てる日々…。家計管理が大変でしたが、一番しんどかったのは意外にも精神面です。
「こんなにお金を掛けているのに、なんで成績が上がらないの!」、「高い塾に通わせてもらって有難いと思いなさい!」など、子どもに対する口調もどんどん厳しくなりました。成績の良い特待生は半額という事実に嫉妬し、「私達が成績上位層の分まで払ってるんだ…。」と卑屈な考えにもなりましたよ。
途中で何度も受験をやめようと思ったけど、これまでに課金した金額を考えると軽々しくドロップアウトなんてできやしない!【お金+勉強の心配】のWパンチをくらいながら、なんとか頑張りました。
成績が全然上がらないのに多額の月謝を毎月支払うのは正直しんどいですよね。「こんなに払っているのになんで成績が上がらないの!?」そんな気持ちが塾へのクレームに繋がることもあるようです。
(2)親子で劣等感を感じた
塾の環境も親子で劣等感を感じる要因になりました。
我が家は金銭的に余裕がないので、小4・小5のうちは高額な長期講習やオプション講座は全て不参加。「○○ちゃんは参加するのに、なんで私は行けないの?」と子どもに言われたことが何度もあります。
また、お迎えではズラリと並んだ高級外車に面食らってしまいました。塾前で待っている親もなんだか上品な格好に見えるし…。それを見るのが嫌で、「もう電車で行って。」と子どもにお願いしたこともあります。塾のクラスメイトの親も、士業や大企業に勤めている人が多かった印象です。
今思えば、こんなの本当はどうでもいいことなんですよね…。
でも、その当時は「お金が足りない。」という悩みに支配され、思考が卑屈になっていました。
中学受験さえしなければ「お金が足りない。」なんて悩みもなかったのに…。そんなAさんの言葉が印象的でした。
いかがでしょうか?
結論から言うと、Aさんのように世帯年収が1,000万円以下でも塾代を捻出することは可能です。しかし、「お金が足りない。」という事実が想像以上に親の心を不安定にすることがわかりましたね。
「それでも、子どものために何としても中学受験をさせてあげたい!」
このような方のために、次では中学受験費用を捻出する方法をまとめました。ご紹介した方法は、全て周囲の中学受験ママ達が実践しているものです。リアリティ溢れる塾代捻出方法を是非ご参考下さい。
私も在宅ライターとして塾代を稼いでいる一人です!一緒に頑張りましょう!
4.お金がない!中学受験費用を捻出する方法
(1)教育費の計画を綿密に
中学受験を考えているなら、まずは教育費計画を綿密に練ることが基本です。
子どもが「中学受験をしたい!」と言い出してから慌てて準備するのではなく、幼少期からコツコツ計画的に教育費を貯めることが大事です。
中学受験塾の費用ははもちろん、無事に私立中学合格を勝ち取った後にも、公立よりはるかに高額な学費が必要です。
・学資保険に加入
・定期預金
・積み立てNISA
・家計の見直し
など、教育費を貯める方法を見直しましょう。今からでも遅くはありません。
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(2)副業を始める
「月々の収入があと数万円多ければ助かるのになぁ。」そんな時には、副業を始めてみるのもおすすめです。
政府は今、副業・兼業を推進しており、企業にもそれを認めるよう促しています。平成30年に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発表され、令和2年9月にはその改定も行われました。
・アンケートやポイ活
・事務作業代行
・テープ起こし
・Webライター
・フリマアプリやInstagramで販売
など、ワーママでも隙間時間でできる副業は意外に多いです。
以下の記事では、子育て中のママにおすすめの副業を多数紹介しています。ご興味がある方は、是非あわせてお読み下さい。
子育て中の副業実例3選!は下記の記事でご紹介しています。
ワーママにおすすめの副業は下記の記事でご紹介しています。
ワーママが働き方を見直すべき「3つのタイミング」は下記の記事で紹介しています。
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(3)特待生になれれば学費節約
特待生になれれば塾代が大幅に節約できます。塾にもよりますが、月々の月謝はもちろん夏期講習等も半額になるなるのはかなり大きいですよね。
ただし、みなさんご存じのように特待生を勝ち取るにはトップクラスの成績が必要です…。特待生を子どもに期待するのは酷なので、「なれたらラッキー!」くらいの気持ちでいた方がよいでしょう。
ただし、幼児期からの計画的な取り組みで入塾後の学習をスムーズにすることは可能です。こちらの記事では、特待生っ子ママが実践した幼児期の取り組みを詳しくまとめています。
特待生っ子ママが実践した幼児期の取り組みは下記の記事でご紹介しています。
幼児期から楽しくコツコツ学んだ先に、特待生がみえれば最高ですね!
(4)頼れるなら親に相談する
周囲のママ達の話を聞いていると、親の援助を受けている人が一定数います。
・孫のために教育費を貯めてくれている
・夏期講習代を払ってくれている
・孫へ教育費の贈与を受けた
など、羨ましい話もあるようです。
可愛い孫のために何かしてやりたい。と考えている祖父母も多いので、本当に困った時には相談してみましょう。
(5)ひとり親家庭割引制度やきょうだい割がある塾も
「ひとり親家庭割引制度」や「きょうだい割」など、各種割引制度が用意されている塾もあるようです。
入会金や授業料が割引になることがあるので、該当する場合は確認してみましょう。
5.お金さえ掛ければ中学受験は成功するのか?”合格”の先に隠れている”失敗”とは
ここまでお読み頂き、「やっぱり、中学受験はお金が全てだ…。」と感じてしまった人もいるかもしれません。
しかし、断言します。多額の課金をしたからといって本当の意味で中学受験が成功するとは言い切れません。
惜しみなく課金された子はどうなってしまうのか?詳しく見ていきましょう。
(1)【中学受験】裕福な家の子の実態
「銭的に豊かな家庭の子は、それだけでアドバンテージ大。中学受験強者だ!」と思っていませんか?
教育費を思う存分掛けられるのは、確かに羨ましい話です。でも、それが子どもにとってプラスに作用するとは限りません。
私の知り合いのB君ママは会社を経営しており、潤沢な教育資金を投入して有名中学の合格を勝ち取りました。B君の1週間のスケジュールはこうです。
月曜日:家庭教師で塾の先取り
火曜日:塾
水曜日:英会話教室で中学入学後の英語に備える
木曜日:塾
金曜日:家庭教師で塾のフォロー
土曜日:塾
日曜日:フリー
B君は塾以外に家庭教師を週2回、中学入学後に備え英語も週1回こなしており、予定がないのは日曜日だけだったそう。
小6の時には月々の教育費が数十万円にも達しましたが、その甲斐あって成績はすこぶる優秀。安定した状態で有名中学に合格したそうです。
しかし、肝心のB君は一目で様子がおかしいのが分かります。顔に覇気がなく明らかに疲れています。
B君ママは、
「Bはとにかくやる気がないのよ。」
「勉強を”してあげている”というスタンスで、意欲的に学ぶ気持ちが最後までなかったわ。」
「でも、なんとか合格できたからよかった!」
と、複雑な気持ちを抱えながらも喜んでいたのですが…。中学入学後成績が低迷しているそうです。
(2)お金をかけて”合格”したのに中学で深海魚に?
B君は中学入学後に寮に入ったのですが、B君ママは担任の先生から入学早々呼び出されました。その内容はB君の成績についてです。
「B君は日々の宿題すらやっていません。」
「意欲がなく、寮の学習時間はただ机についているだけの状態です。」
など、息子の予想外の姿にB君ママは大慌てです。
でも実は、B君の状況は親主導で行った”中学受験の弊害”として珍しいことではないんです。
中学受験時は親が必死に課金して子どもを引き上げても、中学入学後はそはいきません。
肝心の子どもは抜け殻状態。親の言いなりになったロボットです。このような状態の子は、中学入学後に”深海魚”になる危うさをはらんでいるのです。(もちろん、親主導の中学受験が全てこのような状況になるわけではありません。)
対して、親が一生懸命費用を捻出し、出来る範囲ながらも懸命に頑張った子はどうでしょうか?
親への感謝・頑張る気持ち・受験への意欲が、課金まみれの子とは大きく違います。偏差値の高い中学に合格できなかったとしても、受験を通して自分で頑張ることの素晴らしさ、根性、やる気、意欲、他者への感謝を学んだことでしょう。
中学受験はお金がかかる!でも”お金”だけでは成功しない
中学受験は、子どもの精神面の成長によくも悪くも影響を与えます。
湯水のようにお金を掛けても、指示待ちの受け身人間、自分では何の意欲もない子に育っては意味がありませんよね。
お金がギリギリの中学受験は、金銭面では確かに大変かもしれません。でも、親の苦労をみている子は、受験を通して将来の糧になる人間力が育まれます。
中学受験は親を熱狂させる”魔物”です。
親は子どもをよく観察するのはもちろん、自分自身が【成績至上主義&課金上等】というずれた考えに至ってないか?振り返ることも大事でしょう。