#その他 2023/06/08

世代別K-POPアイドル一覧|特徴とファン文化を第1〜4世代まで超詳しく解説!2023年第5世代登場も

【広告含む】

韓国のアイドル文化は20年ほど歴史があり、様々な背景を要素として現在では「第1世代」「第2世代」「第3世代」「第4世代」の4つに区分されています。

2023年4月にはオーディション番組『BOYS PLANET』から「第5世代」と呼ばれるZB1も誕生しました。

韓国では、毎月多くのアイドルがデビューを果たしており、インターネットの普及やK-POP自体の知名度もアップしたこともあって、K-POP市場は混戦状態です。オタク用語で「新規」と呼ばれる方は、グループと情報の多さに驚いていることでしょう。

今回は、第1世代から第4世代までの特徴と、属するアイドルグループの一覧をまとめました。各世代は、アイドルのあり方だけでなく、マーケティング戦略やファンの特徴にも大きな違いがあります。その違いを知ることで、K-POPの情報は整理しやすくなり、さらに楽しめるようになります。

好きなアイドルがどの世代なのか、K-POPの歴史はどう変わっていったのか、ぜひチェックしてみてください!

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▼この記事でわかること
・K-POPグループの世代分けと各特徴
・第1〜第4世代の主なグループ一覧
・第1〜第4世代のファンとファン文化の特徴
第1〜第4世代の人気曲
・第4世代人気K-POPグループランキング
・ニューフェイスの第5世代とは?

目次

1.K-POPの「世代」とは?

世界中で注目を集めるK-POPアイドルですが、現在は4つの世代に分けて特徴が語られています。

K-POPの歴史を作り上げてきた第1〜3世代のアイドルグループに、第4世代と呼ばれる2019年以降のデビュー組。

アイドルの定義、市場、プロモーション方法に至るまで、コンテンツの特徴がその時代を表す鏡となっています。

2.第1世代 (1996年 ~ 2004年)

韓国アイドルの元祖と言われる第1世代。創世記の特徴をご紹介します。

(1)第1世代の特徴

①韓国アイドルの元祖

韓国アイドルの元祖と言える第1世代。

それまで歌手といえばソロ歌手やバンドが主流だった韓国。アイドルの原型を作ったと言われているグループソテジワアイドゥルの解散後、1996年にデビューしたH.O.T.(エイチオーティー)が第1世代の始まりと言われています。

H.O.T.は、韓国芸能事務所の先駆けとされるSMエンターテインメント初のアイドルグループです。名実ともにアイドルの元祖といえる存在で、社会現象を巻き起こしました。

第1世代は、漫画の主人公のような外見を武器に、“10代の偶像”的存在でした。韓国ドラマ「応答せよ1997」でも描写されているように、若者の間で爆発的なバズを起こし、熱狂的なファンが集まっていました。

 

 

②ペンライトはなく推しカラーのレインコート

引用:m.yna.co.kr

現代では、各アイドルグループ独自の公式ペンライトが発売され、ファンはペンライトを持ってライブなど応援します。しかし、当時は応援するグループを象徴する色のレインコートを着て、風船を持って応援していました。
H.O.T.は白色、Sechs Kies(ジェクスキス)は水色と、公式的に各グループを象徴する色が決められていたことが発端のようです。
現在人気のグループでも、SEVENTEENはグループカラー(ローズクォーツ&セレニティ)がありますが、それも第1世代の名残と言えます。

③ヒップホップ文化と国民的グループの誕生

第1世代が生まれる前は、韓国の音楽市場はヒップホップが主流でした。
当時有名だったラップ&ダンスグループ「ソテジワアイドゥル」が解散したことも、韓国にアイドル市場が確立された要因の一つだとされています。

1996年に芸能事務所SMエンターテインメントが、「ソテジワアイドゥル」「アメリカのボーイズバンド」「日本のジャニーズやアイドル」を参考に、H.O.T、ジェクスキス、god、神話、Baby VOX、Fin.K.Lをデビューさせました。

また、S.E.Sは“韓国で初めて成功した女性グループ”と言われており、長く活動できないと言われていた女性グループの中から一早く脱却したと言われています。さらに、将来的に兵役の壁ある男性グループH.O.Tに代わり、日本デビューしたのがS.E.Sです。東方神起やBIGBANG、KARAや少女時代の日本活動が有名ですが、S.E.Sが“イルデ(日本デビュー)”の先駆けでした。

(2)第1世代女性アイドルグループ一覧

・Baby VOX(ベイビーボックス)(1997)
・S.E.S (1997)
・Fin.K.L(ピンクル)(1998)
・BoA(2000)
・Jewelry(2001)
・sugar(2001)

第1世代の女性グループの特徴として、少人数だったということがあげられます。主に3〜5人のグループが多い傾向にありました。
当時人気を博していたBoA除く上記5グループは、日本でも話題となっていたため日本でCDリリース(現在の日本デビュー)も果たしています。
ほとんどのグループが2006年〜2017年に活動を終了しており、メンバーも現在30代~40代前半を迎えています。

(3)第1世代男性アイドルグループ一覧

・H.O.T. (1996)
・Sechs Kies(ジェクスキス)(1997)
・神話(1998)
・god(1999)

女性グループよりやや規模の大きいグループが多かった男性アイドルグループは、歌やダンスはもちろん、テレビ番組での人気を確立しているグループが多かったようです。
実際、2001年〜2005年には1度事務所との契約を終了していたり自然消滅状態になっていたりするのにも関わらず、2012年〜2018年にかけてテレビ番組への出演や復活コンサートを行っています。
漫画の主人公のような外見を武器に、世代を超えて愛されるグループが多かったのも特徴です。元祖国民的アイドルと言えるでしょう。

(4)ファン文化やファンの特徴

引用:m.yna.co.kr

インターネット普及前だったため、推し活は基本オフラインが主流。レコード店で購入したアルバムで楽曲を聴き、推しがTV出演すればビデオテープに録画。コンサートのチケットは独占販売する銀行で入手するため前日から並ぶ人もいました。

前述の通り、K-POPで主流のペンライトも当時はなかったため、グループカラーのレインコートと風船で応援。今でいう「掛け声」文化はこの頃から始まりました。

当時はアイドルグループが少数だった上、ライバル構図が確立しファンはかなり熱狂的だったようです。グループ間のライバル視が激しくファン同士の喧嘩などは韓国ドラマでも描かれています。日本でも昔ありましたが、アイドル同士で噂になると相手に嫌がらせ行為をするなどの問題行動もありました。

また、アイドルの権利もまだ途上前で、追っかけはもちろんプライベートスペースへの侵入なども問題視されぬまま横行していました。

3.第2世代 (2005年 ~ 2012年)

(1)第2世代の特徴

アーティスト型アイドル世界進出の基盤を作った第2世代の特徴をご紹介します。

①アーティスト型アイドルの出発点

第2世代は、東方神起がデビューした頃が始まりと言われています。
厳しいトレーニングを積み優れた歌唱力や高難度のダンス、今では当たり前となった自ら作詞・作曲する能力まで兼ね備えたアーティスト型アイドルの出発点が第2世代です。K-POPのトップアイコンともいえるBIGBAGNのG-DRAGONや、BEASTのジュンヒョン、block BのZICOなどはアイドル兼作曲家として人気を博しました。「自作ドル」と呼ばれる彼らは、現在もK-POPや韓国の音楽シーンに大きな影響を与えています。また、俳優業やテレビ番組など現在もソロで活動するアイドルも多く、比例して歴の長いファンを多く抱えている世代です。

②大手三大事務所の台頭

世界中から注目を集めた第2世代の人気グループは、主に「三大事務所」と呼ばれる大手芸能事務所に所属していました。SM・YG・JYP「三大事務所」と呼ばれるようになったのもこの頃で、各得意分野を活かしビジネスの幅を広げていきました。

SM:東方神起、SHINee、少女時代などビジュアルやパフォーマンスに優れ、ハイソサエティな人材を擁するなど高いブランド力が武器の元祖大手芸能事務所。
アイドルを育てて1つのソースを様々なビジネスに展開して利益を出すのが得意。

YG:BIGBANG、WINNER、iKON(2023年移籍)、BLACKPINK、など本格的なHIPHOP、R&Bを取り入れ、カリスマ性・アーティスト性がとりわけ強い。
作詞作曲編曲振付すべてできるアーティストを育てるのが得意で、どの国の誰が見てもかっこいいと思える作品作りに特化。

JYP:2PM、GOT7、TWICE、NIJIUなどバランスが良く大衆的でキャッチーなカラーが特徴。
みんなに愛される音楽やキャラ(人柄)を作るのが得意で、世界で人気を得たBTSの社長は元JYPの首席プロデューサー。

③世界進出の元祖

第1世代は国民からの支持が高いグループが多かった一方で、第2世代からファンの分布が日本のみならず欧米やアジア諸国まで広がっていきました。
欧米でも通用するレベルの高いパフォーマンスで海外進出に力を入れ、アジアを中心にK-POPの人気基盤を固めました。日本もこの頃から本格的に韓国アイドルブームが訪れ、日本アーティストを超える集客力を誇るグループも登場しました。

④インターネットやSNS活動

第2世代は、K-POPアイドルのシステムの土台を作り上げた世代です。
第2世代がデビューし始めた頃から、YouTubeやTwitterのようなSNSが開発され始めたため、インターネットでの活動も盛んになってきていました。現在のK-POPでは当たり前のティーザー(MVの予告動画)をリリースする習慣も第2世代から始まりました。

また、楽曲もデジタル音源とストリーミングサービスで聴くようになり、アルバム市場は縮小傾向に。今ほど活用はなされていなかったとはいえ、TVや地上波でプロモーションできる韓国や日本以外の国がK-POPを知るツールとしては重要なシステムとなりました。

⑤音源アイドルと音盤アイドル

第2世代からアルバムの販売量を人気の指標にし始めました。アルバム発売後1週間のことを初動(초동/チョドン)と言い、現在も初動売上は楽曲やグループ人気の物差しとなっています。

また、第2世代でアイドルは音源型音盤型に二分され始めます。

・大衆人気がありみんなが音源(曲)を聴くアイドル=音源型
・ファンは多く音盤(CD)は売れるが大衆にあまり知られていないアイドル=音盤型

大抵の場合、男性アイドルが音盤型、女性アイドルが音源型でその流れは現在も続いています。

⑥マスターの登場

K-POPの大きな特徴として、アイドルを撮影しネット上やSNSなどで魅力を拡散するファン「ホムマ」の存在があります。日本では「マスター」と呼ばれています。

「ホムマ」は、私設ファンサイトのマスター(管理人)の意で「홈페이지 마스터(ホームページ マスター)」の略。「大砲」「鉄砲」と呼ばれる大きなカメラで高画質画像を撮り、加工や補正でプロ以上のクオリティのものをアップするファンもこの時期に登場しました。また、次第に動画も追加され、アイドルの様々な魅力がさらに世界中に拡散されるようになります。コンテンツは今や6K、8Kのクオリティで、公式メディアよりもマスターの発信が大きな反響を呼ぶことも多々あります。

著作権の問題などマスター活動はグレーゾーンと問題視される一方で、K-POPのマーケティングにおいて、マスターの存在は世界進出に欠かせない重要な役割だと言えます。
上記動画はマスターによる撮影と編集されたコンテンツ。ファン目線で映るアイドルの姿は、ファンだからこそ痒い所に手が届く内容で、撮影者の愛に溢れており、DVDやテレビ局が放送するものよりもこちらを好むファンはとても多いです。ちなみに、マスターの始まりはSHINeeのファンだと言われています。

(2)第2世代女性アイドルグループ一覧

・Wonder Girls(2007)
・KARA(2007)
・少女時代(2007)
・2NE1(2009)
・4minutes(2009)
・T-ARA(2009)
・f(x)(2009)
・Secret(2009)
・SISTAR(2010)
・miss A(2010)
・Girl’s Day(2010)
・Apink(2011)

第2世代の女性グループの特徴は、音源が世界中で爆発的なヒットを起こしていたことでしょう。
熱狂的なファンだけでなく、大衆からも愛されたグループが多く、Wonder GirlsのNobobyや、KARAのMister、少女時代のGeeなど、K-POPを知らない人でも口ずさめる状態を作り上げていました。
また、女性らしさやスタイルの良さなど「女性の憧れ」的な存在を確立していったのも第2世代からです。
現在でも、再結成やカムバックが大きな話題を呼ぶほど世界的な人気と知名度を持っています。

(3)第2世代男性アイドルグループ一覧

・東方神起(2003)
・SS501(2005)
・SUPER JUNIOR(2005)
・BIGBANG(2006)
・FTILAND(2007)
・SHINee(2008)
・2PM(2008)
・MBLAQ(2009)
・BEAST(2009)
・CNBLUE(2010)
・INFINITE(2010)
・TEENTOP(2010)
・block B(2011)
・B1A4(2011)

ハイブランドを身にまとい、高いカリスマ性で世界中を圧倒していった第2世代の男性グループ。今でもトップを走るアイドルも多く、BIGBANGやSHINeeは日本でもドームを埋めるほど人気があり、練習生がロールモデルに掲げることが多いのもこの世代です。

2022年時点ですでに兵役を終えたメンバーも多く、以前は入隊は芸能人の墓場(入隊=活動終了)とまで言われていましたが、強固な人気や活動基盤で、最近では兵役と並行して活動する好例を作ってくれるグループも出てきました。

例えば、13人グループのSUPER JUNIORは、全員が除隊するまで約10年かかりましたが、その間ソロ活動を増やし今も圧倒的な知名度を誇っています。復活コンサートやカムバックを望む声は常にあがり、オンラインコンサートでは人気者だらけのSMエンターテイメントの中でも最も多い有料視聴者数を記録しました。

(4)ファン文化やファンの特徴

K-POPを世界に広める役割を果たした第2世代のファンは、多様性を持ちました。90年代以降、インターネットは身近になり、アイドルファンもTwitterやFacebookなどSNSを使いこなしながら推し活を楽しむようになります。

かつての「韓流」と呼ばれた韓国コンテンツは、この頃から「K-POP」として世界的に認知されるようになり、韓国国内で「10代」が当たり前だったファン層を30代以上にまで拡張させたのも第2世代でした。

東方神起、SUPER JUNIOR、BIGBANG、少女時代、Wonder Girls、KARAなどは大ヒットを連発し抜群の知名度を誇っています。第2世代はファンのみならず大衆にも大変人気の高いのが特徴です。

4.第3世代 (2013年 ~ 2019年)

SNSマーケティングや新プラットフォームの登場で市場が急成長した第3世代の特徴をご紹介します。

(1)第3世代の特徴

①市場とコンテンツチャネルの拡大

日本同様、メディアがテレビやラジオ一強時代から、インターネットにも広がります。テレビ出演の機会が得にくいグループでも、YouTubeやVLIVEにコンテンツをアップし、アイドル市場を拡大していきました。同時に、アルバムの販売数でも10万枚だったトップセールスが30万枚以上を記録するアイドルが続出し、BTSに至っては100万〜300万枚規模に。

②SNS手法を使った世界攻略

K-POPが北米やヨーロッパにまで広がった第3世代。SNSやYouTubeなどを駆使し、韓国と海外を同時に攻略する戦略でBTSやTWICEなど一気に世界的スターを生み出しました。
ライブ配信での交流も盛んで、カリスマや神秘主義を強調した第1、第2世代と異なり、親しみやすくて距離感がないのも特徴。そのため、歌やダンスだけでなくアイドルの個性にも惹かれるファンが多くなりました。多くのコンテンツが無料で配信されるK-POPにとって、SNSは世界中に自分達を売り込むとりわけ強力なツールになりました。

③SNSを使い世界中で繋がるファン

SNSで世界中のファンが繋がる基盤ができると、音源成績でもその力を発揮しました。
応援しているアイドルの音源成績のために、世界中のファンが協力しあい、各国のチャート上位押し上げの一端を担いました。時にはリストやマニュアルが共有され、戦略的に推しを1位にさせる文化も誕生。
マスターの画像や動画もさらに簡単に拡散できるようになり、インターネット上ではどの国にいてもファンは同じものをリアルタイムで共有しあいながら楽しめるようになりました。

④ファンによるプロモーション

K-POPのファン文化は、「ファンが広報する」ことが特徴として挙げられます。第3世代からこの文化はさらに盛り上がりを見せます。

ファン手作りのグッズやスローガン配布、アイドルの誕生日のセンイルカフェイベント、大掛かりなものでは数百万〜数千万といわれる世界的に有名な電光掲示板に広告を出すなど、ファンが自発的にプロモーションを行います。これが、アイドルにとっては事務所が行う以上の拡散力を持つことも。

また、撮影現場にケータリングを出したり、アイドルの名前で慈善活動や寄付を行うのも韓国のサポートではメジャーです。こういしたファンの広報活動が、マーケティングで大きな影響力を持つ理由となっています。

⑤多国籍グループの誕生

EXO、TWICE、SEVENTEEN、BLACKPINKなど韓国人以外が所属する「多国籍グループ」が増え始めたのも第3世代からです。第2世代ではGOT7が有名ですが、彼らは現在もアジアで圧倒的な人気を誇っています。この頃から、外国人メンバーの出身国が話題を生むようになり、特に日本・中国・タイでK-POPが注目されるようになりました。

言語の壁がなくなると、SNS上のコミュニケーションは活性化するため、熱狂的なファンがさらに世界中に増えていきました。

④ファンとともに築くキャリア

第2世代までは、基本的に積み重ねた練習や才能を武器に、自分自身のブランド力で世界に挑戦していきました。第3世代は、②のような音源成績のバックアップをファンが精力的に行います。所属事務所側もそうしたファンの熱量や行動力に合わせて、初動の記録を上げるための企画(リリースイベントやサイン会など)を積極的に行い、アイドルの実績や活動のフィールドをファンとともに広げていきました。アルバムの売上枚数が急増したのは、こうした活動の影響も大きいと言われています。

⑤サバイバルオーディション番組の台頭

今ではアイドルデビューの定番となっている「サバイバルオーディション番組」が世界的にヒットしたのもこの頃です。それまでも韓国ではサバイバルプログラムはあり、BIGBANGや2PM、TWICEなどもサバイバル番組出身です。しかし、当時は事務所の所属練習生の中から誰がデビューできるかという競争が主流で、視聴者は韓国人がメイン、海外のファンがリアタイで視聴する機会はわずかでした。それを一新した主力プログラムが「PRODUCE101シリーズ(通称プデュ)」です。

プデュは、事務所や経験関係なく101人の挑戦者の中からデビュー組を決め、期間限定のグループとしてデビューさせるというプログラムでした。しかも、デビューは韓国はもちろん海外含む視聴者の投票で決まるというもので、配信もグローバルに行い全世界のK-POPファンがリアルタイムで熱狂しました。プデュシリーズからデビューしたI.O.I、Wanna One、IZ*ONE、X1のグループはどれも一世風靡したため、その後、事務所からデビューさせるグループもこのサバイバルプログラムを取り入れることが多くなっていきました。

おすすめオーディション番組16選はこちらで紹介しています。

⑥トランスメディア・ストーリーテリング

BTSの成功を皮切りに、あらゆるプラットフォームとコンテンツを総動員して展開するトランスメディア・ストーリーテリングの手法が注目され始めました。

トランスメディア・ストーリーテリングとは、ストーリーをあえて断片化することで、顧客に魅力的な物語体験を提供するマーケティング手法です。物語を利用し、相手の共感を得たり感情に働きかけ、次のアクションへと促します。

K-POPでは、MVなどの配信コンテンツをはじめ、アイドル本人の人生まですべてつなぎ合わせて意味を探るようになり、散りばめられた物語の断片を考察しSNSなどで拡散されます。その考察からファンは同時に色んなメッセージを受け取るわけですが、これは捉える人の経験や価値観によって見方が変わるため、人々が追求すればするほどエンゲージは高まり拡散されていくことになります。

また、この手法は、観客と物語が互いに影響を与え合い、新たな感動を生み出すこともあります。BTSの作る世界はかなり哲学的で知識層まで虜にしていると言われていますが、こうした成功例を参考にこの世代から同じような手法でティザー映像やMVを制作するグループが増え始めました。

BTS人気の理由はこちらで紹介しています。

(2)第3世代女性アイドルグループ一覧

・EXID(2012)
・AOA(2012)
・MAMAMOO(2014)
・Red Velvet(2014)
・Lovelyz(2014)
・GFRIEND(2015)
・OH MY GIRL(2015)
・TWICE(2015)
・BLACKPINK(2016)

女性グループでも多様性が生まれ、様々なコンセプトに対応できる高い表現力をもったグループが多くなりました。
日本でもブームとなったTWICEの「TT」のような可愛らしいコンセプトから、ガールズクラッシュの代表格BLACKPINKまで、幅広い音楽を世に出しています。また、男性トップグループを凌駕する音源成績をたたき出すグループも続出しています。すでにほとんどのグループが「7年の壁」を迎えており、契約更新または終了しています。

(3)第3世代男性アイドルグループ一覧

・NU’EST(2012)
・BTOB(2012)
・EXO(2012)
・VIXX(2012)
・BTS(防弾少年団) (2013)
・GOT7(2014)
・WINNER(2014)
・MONSTA X(2015)
・SEVENTEEN(2015)
・iKON(2015)
・NCT(2016)
・WannaOne(2017)

第3世代の第1人者とされているのが、SMエンターテイメントから2012年にデビューしたEXOです。
第2世代がまだ活躍している頃でしたが、EXOは新人アイドルながらミリオンセラーを記録し、賞という賞を総なめに。初の日本単独イベントでは10万人動員を記録、応募は50万件にも登りました。

K-POPをさらに世界に広げたBTS、GOT7、SEVENTEENもこの第3世代です。NCTはデビュー当時の平均年齢が15.6歳という若さで、どちらかといえば遅咲きのグループですが、現在は男性グループの中でもトップクラスに成長。世界的な人気で米オリコンチャート1位を受賞しました。また、兵役が特例で延期されたBTSの偉業は数知れず、入隊が決定した現在もその動向に多くの関心が寄せられています。

実力と人気を兼ね備えたアイドルが多いため、男性グループには鬼門とされる兵役も、ソロ活動などをはさみながら乗り越えようとしているグループが多いです。

(4)ファン文化やファンの特徴

CDや音源購入以外にも、「スミン」の功績が世界的に知れ渡った第3世代。「スミン」はファンがYouTubeやストリーミングサービスで新曲を何度も再生したり、音楽番組のWeb投票などをすること。BTSのファンARMYの功績は有名で、こうした行為は推しを1位ひいては世界のトップスターに押し上げる力になるため、現在はファンの愛のかたちとしてメジャーになっています。SNSとの相性も良く、チーム戦でライバルと戦う文化も形成されていきました。

掛け声文化も公式化し、それまで非公式的にファンからあがっていたものが、YouTubeでアイドル本人達が教えるスタイルになったり、より一層ファンダムチーム感が強固になっていきました。

また、CD購入に伴うリリースイベントもアジアを中心に世界からファンが参加するようになり、ファンのCD購入枚数もどんどん増えていきました。

このように第3世代は、EXO、BTS、SEVENTEEN、BLACKPINK、TWICEなど実績、人気ともにK-POPの頂点に君臨するグループを多数輩出した世代と言えるでしょう。

5.第4世代 (2019年 ~ 現在)

K-POPの多様性新たなコンセプトを示す第4世代の特徴をご紹介します。

(1)第4世代の特徴

①オーディション出身者や兄弟グループ

第4世代は、2000年以降に生まれたメンバーを中心に構成されているグループが中心です。第4世代はより飽和状態の市場で戦わなければならず、デビュー時点ですでに完成された姿で登場しハイレベルなパフォーマンスを見せています。また、IVE、LE SSERAFIM、NewJeansなど女性グループの大躍進も第4世代の特徴と言えるでしょう。

また、第3世代までに有名になったグループの妹分・弟分としてデビューするグループも増加しています。元々「事務所推し」の風潮があるK-POPですが、事務所のブランドがより大衆化し知られるようになりました。また、世界配信されたオーディション番組出身者やファン参加型の投票でデビューしたグループがさらに増加し、デビュー時点ですでに知名度があるアイドルも多くなりました。

一方、そのために人気やファンは分散傾向にあります。さらに第3世代が現役かつ人気のあるグループが多いため、デビューしてある程度のファンはつくもののあたま一つ飛び出るのは難しい状態にもなっています。

②海外進出とコンセプトの強化

多様なコンセプトメディア戦略でK‐POPの新たな面を構成した第4世代。
アバター、多国籍軍、唯一無二の世界観などを特徴が顕著で、グループのコンセプトや世界観をPRするためにデビュー当初からドラマや映画を公開する場合もあります。

また、BTSやBLACKPINKが世界で大きく成功したことから、彼らを参考にデビューと同時に海外進出or海外から韓国に戻る逆輸入型で活動するグループも増えました。より主体的で強いメッセージを発信する楽曲も多く取り入れられています。

以前は国内で成功する必要がありましたが、K-POPの知名度が世界に広がった現在は、最初からグローバルグループを目指すグループがほとんどです。

③ハイスキルなアイドル

第1世代〜第3世代が築き上げたK-POPアイドル像に憧れを抱いて練習生になった第4世代の練習生たち。K-POPの世界進出で、現在デビューを目指している練習生は100万人以上いると言われています。

K-POPの練習の過酷さはファンには周知の事実ですが、オーディション番組の普及やハイレベルな先輩アイドル達の登場によってファンの目は年々肥えています。
デビュー時点でファンはハイレベルな姿を求めており、ビジュアルはもちろん、年々パフォーマンスの質に磨きがかかっています。ビジュアルがよく実力があるのは当たり前、完璧な人間性まで求めらることもしばしば。新人アイドルの多くが、その熾烈な競争に勝ちデビューを果たしているのです。

④三大事務所から四大事務所へ

これまで三大事務所の独壇場だったK-POP界で、BTSの台頭によりHYBEが大手事務所の仲間入りを果たしました。それどころか、同じくトップクラスの人気を誇るSEVENTEEN所属の事務所を買収合併し、さらに弟妹グループの成功も相次ぐなど、多数の人気アイドルが所属するトップ事務所へあっという間に成長。2021年4月にはジャスティン・ビーバーらが所属する米芸能事務所イサカ・ホールディングスを10億5000万ドル(約1150億円)で傘下に収め、時価総額1兆円を超える企業になりました。

さらに、HYPEはK-POPファン全体が集まるプラットフォーム戦略を開始し、「Weverse(ウィバース)」のリリースや競合サイト「V LIVE(ブイライブ)」の買収を発表しました。

⑤ファンとの相互コミュニケーション

第3世代からさらにファンとアイドルが身近な関係性になっているのが第4世代の特徴です。最近では、bubble、universe、Lysn,、Weverseなどのプラットフォームで、相互コミュニケーションが可能に。アーティストからプライベートメールやプライベートコールが受信できる機能まで備えているものもあり、前述した通り、K-POPにおいてファンとの疎通は大きなプロモーションになっています。

その結果、熱狂的なファンが増え、ファン同士での競争もヒートアップしています。

(2)第4世代女性アイドルグループ一覧

・(G)I-DLE(2018)
・ITZY(2019)
・EVERGLOW(2019)
・Weeekly(2020)
・aespa(2020)
・IVE(2021)
・Kep1er (2022)
・NMIXX(2022)
・LE SSERAFIM(2022)
・New Jeans (2022)

第4世代の女性グループの特徴は、デビュー時から確固たるグループコンセプトを持ち活動していることです。
例えば、IVEの高級感のあるコンセプトやaespaのアバター・仮想世界は、世界中から大きな注目を集めています。
今年デビューしたばかりのNew Jeansは、際立ったコンセプトはないものの、90年代後半〜00年代初期のR&Bを彷彿とさせるサウンドが支持を受け、第4世代では珍しく韓国国内からの人気も高く、音源発表4週間後もデイリーチャートでトップを記録しています。
また、第3世代までは大衆的であることが重要視されていましたが、ガールズクラッシュなどメッセージ性ある世界観を女性グループも持つようになりました。

そして、パフォーマンスで世界中から称賛を受けるIVE、New Jeans、LE SSERAFIMには中学生メンバーがいるというのも驚き。若くから洗練されたルックスと実力を持ったアイドルがいるのも第4世代の魅力の1つです。

ITZYプロフィールはこちらで紹介しています。

LE SSERAFIMプロフィールはこちらで紹介しています。

NewJeansプロフィールはこちらで紹介しています。

(3)第4世代男性アイドルグループ一覧

・Stray Kids(2018)
・ATEEZ(2018)
・TXT(2019)
・CRAVITY(2020)
・TREASURE(2020)
・ENHYPEN(2020)

第4世代の男性グループの多くは、オーディション番組から結成されたグループ、もしくはオーディション番組経験者が所属しています。
爆発的な人気を誇るStray Kids、TREASURE、ENHYPENは、各事務所のサバイバルオーディション番組から誕生しました。その他のグループにもだいたいサバ番出身者が所属していたりと、デビュー時点で熱狂的なファンがついているアイドルも多数います。

四大大手事務所の男性グループが人気上位を占める中、BTSに次いで、中小事務所ながら世界的人気を得てきているのがATEEZです。ATEEZは、海外から韓国に戻る逆輸入手法で先に海外で人気を得たグループで現在快進撃を続けています。大規模なワールドツアーや音源でも歴代級の実績を残すなど新たな手法と魅力で大手以外から登場した次世代K-POPスターとしての注目を浴びています。

第4世代の男性グループのコンセプトも幅広く、その高い表現力をもって複雑な楽曲と高度なパフォーマンスを披露。毎度カムバックするたびにファンは驚かされています。

ATEEZプロフィールはこちらで紹介しています。

Stray Kidsプロフィールはこちらで紹介しています。

(4)ファン文化やファンの特徴

相互コミュニケーションの強化により、アイドルの成績や売上とファンの関係性がより切っても切れないものに。
また、アイドルとファンが互いに影響を与え合うことで、双方に良い効果を生み出す関係性では、ファンがアイドルに社会通念や礼儀正しさをアドバイスすることもあります。

Weverseなど新プラットフォームの登場で、ファン層がさらにグローバル化。どの国からでも、リアルタイムで情報が得られ国ごとの差がなくなりつつあるため、ファンの割合も韓国ではなく他国のファンがトップを占めるグループも多く出てきました。また、コロナ禍でヨントンなどのオンライン通話コミュニケーションも主流となり、さらに世界中のファンが楽しめるフィールドに成長しています。

6.第4世代人気K-POPグループランキング

次に、今最も注目度が高い第4世代のK-POPグループについて、第4世代がどれほど注目されているのか、女性グループと男性グループに分けて人気ランキングを作成しました。

アルバムの初動売上・MV再生回数・SNSのフォロワー数の3つを評価基準としています。

(1)第4世代女性K-POPグループランキング

順位 グループ名
1位 aespa
2位 ITZY
3位 IVE
4位 STAYC
5位 NMIXX

競争率が圧倒的に高い女性アイドルグループの中でも人気度が高いaespaは、SMエンターテイメントのユニット「GOT the beat」への参加や、楽曲のSNSでの人気が強く1位となりました。オーディション番組出身のグループが少ないため、事務所によって選びぬかれたスキルの高いメンバーによる完成度の高いパフォーマンスがファンを魅了しています。

(2)第4世代男性K-POPグループランキング

順位 グループ名
1位 Stray Kids
2位 NCT
3位 TXT
4位 ENHYPEN
5位 TREASURE

男性アイドルグループのファンは女性に比べて熱狂的なファンが多く、SNSでの布教活動により推しグループの認知度を拡大していきました。
その典型として、Stray KidsやNCTがあげられます。元TikTokerのメンバーが加入したことや、中毒性の高い音源がSNSで使われたことをきっかけに大幅にMVの再生回数が増えています。プライベートの姿と大きなギャップのあるパフォーマンスも第4世代の魅力の1つです。

7.世代別おすすめYouTube動画

世代を代表する人気曲をご紹介します。その世代でどんなサウンドが人気だったのか、違いを感じられるでしょうか?ぜひ、懐かしの曲から最近のヒット曲までお楽しみください!

(1)第1世代人気曲

《H.O.T.-Candy》

《S.E.S.-Dreams Come True》

(2)第2世代人気曲

《BIGBANG-HARUHARU》

《少女時代-GEE》

(3)第3世代人気曲

《EXO-Growl》

《TWICE-TT》

(4)第4世代人気曲

《Stray Kids-Hellevator》

《aespa-Next Level》

8.2023年に登場した第5世代

2023年4月、サバイバルオーディション番組『BOYS PLANET』からZERO BASE ONE通称ZB1(読み方:ゼベワン)が誕生しました。

彼らの誕生は「第5世代」の始まりと話題になり注目が集まっています。

(1)第5世代の特徴

2022年BTSの入隊を皮切りに、彼らの軍白期にデビューする大型グローバルK-POPボーイズグループは第5世代となるのではないかという記事が出始めました。

K-POP業界は、男女が交互にブームが来ると言われており順番としては2023年は男性グループの勢力が優勢。これを“第5世代”のワードを用いて盛り上がっているようです。

第5世代は、グローバル化がさらに進んだ形態が特徴。ZB1も、世界の視聴者が投票した結果でメンバーが構成され、視聴者投票型としては異例の中国人メンバーが1位の結果でデビューが決まりました。上記の動画は、『BOYS PLANET』で披露されたミッションステージですが、韓国人1名+中国人2名+アメリカ人1名+台湾人1名という構成。

結果として9人中、中国人メンバー2人、カナダ人1人のバランスとなりましたが、最終順位を見てもギリギリのところでアメリカ人のジェイや日本人のケイタが名を連ねています。K-POPといえば韓国人メンバーが当たり前だったこれまでより、さらに国籍の多様化とあわせてファンのニーズも強まっていることが伺えます。

ファンのグローバル化に伴い、各国特有の音楽的な強みを活かした混合グループを見て見たいという新しいニーズが巻き起こっているのかもしれません。

(2)第5世代女性アイドルグループ一覧

・BABYMONSTER(2023予定)

デビュー前になりますが、YGエンターテイメントから次にデビューする「BABYMONSTER(読み方:ベイビーモンスター)」通称ベビモンは、韓国、日本、タイのメンバーが登場しています。BLACKPINK同様に本格的に通用する実力で世界をまたにかけた人気が予想されています。

(3)第5世代男性アイドルグループ一覧

・ZB1(2023)

前述のZB1の台頭が大きなインパクトを残しています。

(4)ファン文化やファンの特徴

デビュー時からファン層のグローバル化が著しいのが特徴です。K-POPアイドルになりたいと渡韓してくる外国人も急増しており、『BOYS PLANET』に続くオーディション番組でも、参加者の多国籍化が顕著になっています。あわせて視聴者層もグローバル化しており、もともと韓国人の意見が強く反映されていた部分がより世界に開かれた状態になっているのが特徴です。

第1〜第4世代+第5世代まで一覧で見るとK-POPはもっと楽しい!

第1世代から第4世代まで、それぞれの世代の特徴とアイドルグループをまとめましたが、いかがでしたでしょうか?

どの世代からK-POPに関心を持ったかによって、K-POPの見方はだいぶ変わります。

しかし、一覧で歴史を知れば、どなたでも色々な楽しみ方ができるはず!第3・4世代のアイドルの文化が第1・2世代のどのグループからの名残なのかを知るとまた違ったK-POPの面白さを堪能できますし、今後、第5世代、第6世代がどのような形態になるのかも楽しみですね。

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