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昭和58(1983)年、国立劇場の1つとして開場した国立能楽堂。
年間を通し、日本の伝統芸能でありユネスコの無形文化遺産でもある能楽(能・狂言)を中心に公演を行っています。

座席数は591席と能楽堂としては大規模ですが、どの席からでも臨場感溢れる能舞台を堪能できます。

建物の中に作られた能舞台は、樹齢400年を超える檜で造られており荘厳な姿は必見。

館内、地下1階には資料展示室、図書閲覧室があり、能楽関係の図書や国立能楽堂公演記録資料などを閲覧することができます。催し物の企画もあり、入場無料で各展示を楽しめます。

この日は特別展「日本人と自然 能楽と日本美術」を開催。「春夏秋冬」「草木成仏」「花鳥風月」をテーマにした曲目にあわせた展示と日本美術の数々が紹介されていました。

能の源流をたどると奈良時代、狂言は室町時代まで遡ります。国立能楽堂は、その長い歴史を肌で感じることのできる場所。日本人なら一度は訪れてみたいスポットです。

狂言の秘曲と出会うため国立能楽堂を訪れる

5月の晴れた日、狂言鑑賞のため国立能楽堂を訪れました。

国立能楽堂がある千駄ヶ谷駅周辺は、「神宮外苑」「東京体育館」「国立競技場」の東京を代表するスポーツ施設がある一方、閑静な街並みの中に「東京将棋会館」「鳩森八幡神社」など文化伝統を感じられる街。
駅から少し歩くとすぐに静かな環境が広がり、都会の中心にありながらゆったりと散歩をするのにも最適です。

その中でもモダンな和の雰囲気で上品な佇まいの国立能楽堂は、能・狂言を中心に毎月様々な公演が行われています。

この日は、「那須」を目当てに能楽堂を訪問。
「那須」は、平家物語「那須与一」を1人語りする狂言の演目で、演者は平家物語の一節「扇の的」部分を身振り手振りで表現しながら語ります。
狂言における大曲・秘曲として位置づけられ、能楽師(狂言師)自身も人生で何度演じられるかというほどの珍しい演目なのだそう。私も久しぶりに上演にありつき、人生で二度目の「那須」を心行くまで楽しみました。

新緑を感じる中庭がお気に入りスポット

能楽鑑賞の楽しみのひとつが、休憩時間。
能・狂言は公演の合間に15分~20分ほどの休憩を挟むことが多いのですが、その時間に能楽堂の敷地内を歩くのが私のお気に入りです。

エントランス、中庭、能楽堂内、どこを歩いても心が落ち着きます。
特にこの新緑の季節は、木の葉がサラサラと揺れており、マイナスイオン効果もばっちり。

中庭のベンチに座って緑を眺めていると澄んだ気持ちになります。

建物の中も木のぬくもりがたくさん感じられ、和の雰囲気がさらに心を落ち着かせてくれます。

エントランスに出て、少し離れたところから能楽堂入口を見上げるのも、伝統文化を楽しみに来たという実感が沸いて充実感で満たされます。

国立能楽堂で味わう非日常とお手軽ランチ

千駄ヶ谷には、洋食やイタリアン、エスニックなどおしゃれなお店がありますが、圧倒的非日常を味わえる能楽堂でのランチタイムはいかがでしょうか。

国立能楽堂は東京で能・狂言を楽しむ方に馴染みのある場所ですが、そうでない方には敷居が高いイメージがあるかもしれません。

そんな方にもおすすめなのが能楽堂内にある食事処「向日葵」。
「向日葵」では、観覧予定の無い方でもランチを楽しむことができます。

公演のある日は開場30分前から営業開始、公演の無い日もランチタイムのみオープンしており、緑が生い茂る中庭を眺めながら静かに昼食をいただけます。

私のお気に入りは、長崎皿うどん。上品な味わいでパリパリの揚げた細麺に野菜たっぷりのあんかけ。800円(税込)でこの味わいとボリュームはお得です。

その他、ステーキセットも迫力あるお肉がガッツリ食べられると人気。漬物、味噌汁、ライスのセットで1,100円(税込)はこれまたお得。

天ぷらや揚げ物を使ったメニューもサクサクの程よい衣で女性も食べやすいのでおすすめです。
国立能楽堂という非日常の空間で楽しむ静かなランチが1000円前後はかなり穴場。
公演の無い日の営業時間は、11時30分~14時ラストオーダーなので訪問時は時間の確認を忘れずに。

和の趣を目当てに国立能楽堂でゆったり過ごす

新緑の季節におすすめの国立能楽堂の楽しみ方をご紹介しました。
公演情報は、国立能楽堂ホームページに掲載されているのでご都合に合わせてぜひ足を運んでみてください。

国立能楽堂

所在地 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1
TEL 03-3423-1331(代表)
最寄駅
東京メトロ副都心線「北参道駅」より徒歩6分
JR中央本線「千駄ヶ谷駅」より徒歩5分
都営地下鉄大江戸線「国立競技場駅」より徒歩6分
都バス利用
早81(渋谷-早大正門)千駄ヶ谷駅前下車徒歩5分
黒77(目黒-千駄ヶ谷駅前)千駄ヶ谷駅前下車徒歩5分

文・編集:A.O

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